山川健次郎初代総長パンフ - 九州大学

山川健次郎初代総長パンフ - 九州大学 page 21/28

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21■九州帝国大学初代総長・山川健次郎2005年は世界物理学年であった。アインシュタインが相対性原理の発見、光量子論の提案、分子論によるブラウン運動の解明の3大業績を上げて100年を記念したもので、東京....

21■九州帝国大学初代総長・山川健次郎2005年は世界物理学年であった。アインシュタインが相対性原理の発見、光量子論の提案、分子論によるブラウン運動の解明の3大業績を上げて100年を記念したもので、東京・武蔵大学で「物理学者・山川健次郎を記念するシンポジウム」が開かれた。学術会議会長(当時)黒川清氏の呼びかけで東大、九大、京大、九工大、武蔵大など、山川が総長、校長としてかかわった大学が中心となっての開催であった。東京大学理学部の前庭に山川健次郎の胸像が建っている。目線は理学部に向けられ、学生、研究者を見守っているかのようだ。山川は東京大学、初代物理学教授となった。米国・イェール大学で物理学をおさめた山川は欧米の物理学の基本部分を講義するため教科書「新選物理学」(未刊行)を書いており、その草稿は東大理学部金庫に保存されている。墨で一字一字丁寧に書かれ、図解説を付けている。また、物理学術語和英仏独対訳字書も編んでいる。授業は極めて、まじめ、誠実で、熱血的であった。学生の間にこんな狂句がはやった。「打つ鐘の後より入る耶麻の川声ぞ積もりて熱となりぬる」。先駆的実験も重ねている。ブンゼン電池によるアーク灯点灯(明治10年)、ダイナモ使用白熱電灯(同15年)、自作のX線管によるX線実験(同29年)などである。武蔵大での山川記念会では山川が使った物理関係実験装置、実験器具が展示され、実際に実験が行われ、参加者の関心を集めたという。大輪の花、開く山川が固めた物理学専門教育の基山川が執筆したわが国初めての物理学教科書原稿。墨で丁寧に書き上げられているアインシュタインの来学(大正11年12月)アインシュタインが来学した。前列左から2番目は相対性理論の紹介で有名な桑木教授。前列右端は真野文二(第2代総長)日本に「進取の気質」と熱血教育「山川人脈」─ノーベル賞受賞者連なる物理学者・山川健次郎