Voices

支援を受けた研究者・学生等の声

アメリカ合衆国ワシントン大学における約1年間の交換留学

2019.06.18

内田 佳那子 【平成30年度受賞】

法学部


 平成30年度の活動内容として、2018年9月から始まったアメリカ合衆国ワシントン大学における約1年間の交換留学についてご報告させていただきます。
 まず一学期目は、アメリカでの一大学生としての生活に慣れようとするのに精いっぱいでありながらも、自分なりに地道に努力を続け試行錯誤しながらも全力を尽くせた3カ月だったと思います。
 大学の授業については、Politics and Law of International Human Rights, Introduction to Women’s studies, Communication Strategyの3つの科目を履修しました。前者二つは特に予習量が多く内容も高度でしたが、人権について学ぶことを目的に留学を決意した私にとって、その内容はとても興味深く、授業でわからないところを丁寧に復習したり友達や先生に聞きに行ったりして、最大限学びを吸収できるように努めました。最後のCommunication Strategyの授業は、アメリカの大学のようなアウトプットの多い学習スタイルに適応できるよう、ディスカッションやプレゼンテーションの練習に力を入れています。ともに英語力を伸ばそうと頑張るノンネイティブスピーカーの学生らから、刺激を受けながらもあまり不安になりすぎず楽しく英語の練習に励むことができました。授業を受けている間は、初めてのことばかりやできないことばかりで落ち込んだり不安になってしまったりすることも多々ありましたが、持ち前の向上心と努力の姿勢を維持することによって、最終的に全ての授業でA+の評価を頂くことができました。この経験は、途中多少失敗や上手くいかないことがあっても地道に頑張り続けることで結果を出すことができること、また私にとってずっと憧れであった場所でもどうにか闘っていけるかもしれないという自信を与えてくれました。そして、最大の収穫は、世界の人権問題やその解決に向けたアプローチとしての法律や政治について学びたいという関心を最大限満たされる環境で勉強に励むことによって、将来貢献したいと思う分野が、自分が情熱を持てるものが真にここにあることを確信できたことだと思います。その具体的な道のりはまだ模索中ですが、授業で紹介されたあるドキュメンタリー映画の人権派弁護士の勇姿にとても感銘を受け、現在は学部卒業後、法学院への進学と司法試験の受験を検討しています。
 2学期目は、Disability Justice, Human Rights in Latin America, Introduction to Religionの3科目を受講しています。人権について様々な観点からより深く学び、また同じく興味があった宗教について勉強できているだけでなく、アメリカ特有の学生の非常に積極的に発言する姿勢からいつも刺激を受け、そして奮闘し続けているところです。まだまだ困難を感じる場面はたくさんありますが、その分成長の可能性に溢れた場所にいられていることへの感謝の気持ちを常に忘れず、これからも努力し続けていきたいと思います。また、日々の生活に慣れることに精一杯だった先学期に比べ、私生活も充実してきたように思います。1日の大半を予習や課題に割く中、ほぼ毎日のようにジムに行って運動し、クラス内や現地の友達も増えました。英語での会話にはまだまだ困難を感じることが多いですが、毎日これなんだろう?どういう意味だろう?と疑問を抱き、新しい学びや発見を得る機会に満ちた生活を送れていることに、改めて感謝の気持ちを噛みしめているところです。
 3学期目以降は、引き続き人権を軸に履修を組み、また人権機関等でのインターンシップやボランティア等をできたら良いなと思っています。活動場所やその期間等は検討中ですが、人権問題に寄与することを目的とした機関は多々あり、それらに参加することでここでしか得られない実務経験を得たいと考えています。
 留学のために別途奨学金をいただいておりますが、学内外で様々な経験を積むために何かと費用がかさむ中、あまり経済的な心配に悩まされることなく、また法学院進学を視野に入れながら自身の学問的関心を追求できるのは山川賞のご支援のおかげです。恵まれた環境への感謝の気持ちを常に忘れず、受賞者にふさわしい人間として恩返し/恩送りをできるよう、日々努めて参ります。