Voices

支援を受けた研究者・学生等の声

国際学会での発表により、今後の研究の発展につながる人脈を築くことができました

2019.06.24

勝本 英明 【H30国際会議等参加支援 採択】

人文科学府 博士課程3年


【国際会議参加等支援 成果報告書】
所属: 人文科学府 歴史空間論専攻 博士課程3年
氏名: 勝本 英明
国際会議名: 2nd International Congress of Ottoman Studies〔第2回オスマン研究国際大会〕

 2015年にトルコ共和国のサカリヤで初開催され、高い評価を受け今回が2回目の開催となります。今回は20世紀初頭までの約400年間、オスマン帝国領域下にあった歴史を有するアルバニア共和国の首都ティラナでの開催となりました。10月17~20日の会期で、政府機関が集まるティラナ中心部の官庁街の一角にあるホテルで開催されました。
 開会式にはアルバニア駐在のトルコ共和国大使も出席し、スピーチするなど盛大なものでありました。ヨーロッパ各国、アメリカ、アジア、中東などから参加した研究者ら約130人が政治、軍事、経済、教育等をテーマにした約30の分科会に分かれ、研究成果を口頭発表しました。また、オスマン史の世界的に高名な研究者による講演も連日開催され、盛況を博しました。各分科会、講演において、オスマン史をめぐって活発な議論が交わされたほか、分科会、講演の合間に、研究者同士で懇談するなど、研究発展にとって大いに有意義な機会となりました。
 私は会期3日目の「教育と文化」分科会で口頭発表しました。私を含め地元アルバニア、コソボ共和国の研究者ら4人が発表しました。私の20世紀初頭のオスマン帝国における実業教育をめぐる発表のほか、オスマン帝国時代のコソボにおけるトルコ語教育、オスマン帝国時代のコソボにおける近代的な師範学校、オスマン時代の遺産とトルコ共和国の外交をテーマにした口頭発表がなされ、議論が交わされました。
 専門性をより細かく精査した分科会が設定され、より専門性が近い研究者で構成されるよう配慮された分科会であったため、自らの専門性を深める意味で、非常に有意義な分科会となりました。同じ研究分野の海外の研究者と、オスマン教育史専門という分科会で発表する機会は今回が初めてであり、大いに知見を深める機会となりました。また分科会の後も、発表者と懇談する機会があり名刺交換も行うことができました。今回、発表支援を受けて参加することできた国際学会において、今後の研究の発展につながる人脈も築くことができたと考えています。
 研究発展のため、研究成果の海外発表が強く求められる中、このような海外発表支援をいただくことができて、大きなお力添えをいただいたと考えています。海外での発表には渡航費、滞在費等、多額の資金が必要であり、学生個人の力だけではなかなか難しい面があります。そのような中、このようなご支援をいただけることは大変ありがたいことだと思っております。研究成果を発表することを通じて世界の研究者からご意見をいただける機会となりましたし、研究発展に向けて、人脈をつくる機会ともなりました。心より感謝申し上げます。