Voices

支援を受けた研究者・学生等の声

今後の研究の方向性に役立つ重要な意見をいただくことができました

2019.06.24

菊竹 智恵 【H30国際会議等参加支援 採択】

システム生命科学府 博士課程5年

 
【国際会議参加等支援 成果報告書】
所属: システム生命科学府 システム生命科学専攻 博士課程5年
氏名: 菊竹 智恵
国際会議名: Mechanisms Models of Cancer(Cold Spring Harbor Laboratory Meeting)

 私が参加したのは、ニューヨーク州にあるコールド・スプリング・ハーバー研究所で2年に1回行われている「Mechanisms Models of Cancer」という学会です。この学会は、世界各地のがん研究を行う研究者が集まり、研究所内の宿泊施設で泊まりながら5日間朝から晩までみっちりと口演&ポスター発表を行うというものです。口演内容はがんを中心に多岐にわたり、研究室にいただけでは知ることのできなかった最新の研究を学ぶことができました。
 これまでのがん研究は動物や培養細胞を使ったウェットな実験が主でした。しかし、本学会では次世代シーケンサーから得た大規模なデータ分析を組み合わせた研究が多く見られ、がん研究が新しいステージに進んでいることや自分の研究分野(バイオインフォマティクス)がこれからますます重要になっていくことを強く実感しました。
 私はこの学会で、「The impact of intratumor heterogeneity to prognosis.」という演題でポスター発表を行いました。自分の研究内容に関してはなんとか説明することができましたが、残念なことに自分の英語力のために十分な議論ができたとは言えませんでした。それでも、今後の研究の方向性に役立つ重要な意見をいただくことができました。
 これまであまり海外に対してあまり興味がありませんでしたが、本学会に参加したことで海外に目が向きました。そして、学会に参加したいという理由で英語の勉強を続けてきましたが、英語で会話や議論ができたことで、英語で会話することを楽しむこともできました。同じ学会で今度は口演発表ができるよう、今後も海外を意識して研究を続けていきたいと思います。
 最後に、九州大学基金の支援助成に心から感謝します。博士課程に入学したときから、卒業までに海外の学会で発表すると決めていました。しかしながら、海外での学会の場合、参加費が非常に高く、さらに渡航費や宿泊費を考えると簡単に行けるものではないと思っていました。今回助成金をいただき、お金を理由にあきらめることなく学会に参加できてよかったと思います。これから博士課程に入り研究者を目指す後輩のためにも、今後もこのような助成制度を続けていただけたらと思います。



参加者とポスター発表にて議論している様子(奥が本人)