Voices

支援を受けた研究者・学生等の声

もっと世界へ出て、自分の目で確かめて、世界が抱える課題に取り組んでいきたい

2019.06.27

貞松 咲月 【平成30年度受賞】

農学部 生物資源環境学科

 全国52大学に支部をもつ一般社団法人 STUDY FOR TWO九州大学支部において支部長として活動を推進してきました。STUDY FOR TWOでは、『勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界に』という理念のもと、ラオスやバングラデシュへの教育支援事業を行なっています。私が入った当時の九州大学支部は5名程で活動していましたが、声かけやイベントを行うことでメンバーを増やし、35名を超えるほどの支部にまで成長させることができました。全国でも1位の活動成果を達成することもできたほど、メンバーのそれぞれの強みや状況を活かすことができたことが結果として現れた時は、とても嬉しく思いました。
 STUDY FOR TWOでは、現在ラオスとバングラデシュの2カ国に支援をしていますが、バングラデシュではRoom to Readという組織を通じて、女子教育支援を行なっています。9月のバングラデシュ訪問では、Room to Readのプロモーションビデオ制作のため、カメラマンやスタッフと共に現地活動をしました。支援先の状況を自分の目で見ることができ、現地の小学生や中学生の生活、支援先の家庭の状況を知ることができました。特にRoom to Readのスタッフが熱心に女子教育の普及に努めている姿を見て、とても感激しました。普段、STUDY FOR TWOのメンバーは日本で活動しているため、支援先の状況を理解しにくい部分がありますが、こうしてメンバーが現地の状況を知り、活動の様子を伝えることで、どのように自分たちの活動が現地に寄与し、活かされているのかを再認識することができるため、非常に良い訪問ができました。
 また、平成30年度海外福岡県人会青年派遣プログラムに参加し、メキシコに行って福岡県人会の方々のサポートのもと、10日間、メキシコへの日本人の移民の歴史や日系人について深く学ぶことができました。現地では、県人会の方々のお宅にホームステイさせていただき、現地の生活の様子も実感することができました。また、このプログラムではメキシコの国際交流基金や日墨会館、日本大使館を訪れて、様々な方からお話を聞くことでき、日本人として世界に誇れる精神や、日本人としてのあり方や自信といったものを改めて考えました。メキシコでは、ここ数年で日経企業の進出に伴って、日本語を勉強する学生が増えたようですが、現地の人々が日本に抱く印象や期待は、私がかつて感じていたことよりもはるかに高く、これまで長い時間をかけて築いてきた日本の世界からの信頼を、これから私たちが受け継ぎ、発展させていきたいと考えました。10日間のプログラムは終了しましたが、出会った10人の仲間の学生たちとはこれからもまた会いたいと思っています。令和元年11月に、海外福岡県人会の世界大会が福岡で行われます。この会でメキシコにてお世話になった県人会のファミリーたちと再会したいと思っています。今回、初めて世界の県人会の存在を実感しましたが、他国の県人会や日本にまつわる団体や企業、組織とも良い関係を築いて、世界をもっと広げていきたいと思いました。関わってくださった全ての方々に感謝して、これからの原動力にしていこうと思います。
 上記の他にも、今年度は多くの場所へ自分の足で出向き、様々な人々と関わって活動をしてきました。私はこれらの活動を通じ、日本にいて満足するのではなく、もっと世界へ出て、世界で今なにが起こっているのかを自分の目で確かめて、世界で起きている危機を感じて、自身の活動の指針としていくことが必要だと考えるようになりました。特に、今年度海外で行ってきた活動では、将来、世界中の人々を相手にし、より広い視野を持って、今後の研究においても世界が抱える課題に取り組んでいきたいという気持ちがより一層強まりました。今後も、自然環境をとりまく現象や、食料の分配や流通、政策や農村地域の経済など、分野を横断し、包括的に基礎を学んで農学分野の土台を作りながら、海外との関係構築に力を入れていきたいと考えています。


【写真:上】
Room to Readのプロモーションビデオ制作活動のためDogair Rustam Ali High Schoolを訪問(左端が本人)

【写真:下】
福岡県国際交流センター 平成30年度海外福岡県人会青年派遣プログラムに参加、メキシコ訪問(右端が本人)