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支援を受けた研究者・学生等の声

Cold storage for vegetables, drugs, vaccines in remote areas without electricity(日本語訳:電気のない環境下における農産物・救命用医薬品等の冷蔵貯蔵の開発)【平成30年度 総長賞 最優秀賞】

2019.06.13

代表 Mahbubul Muttakin(マブブル ムタキン)

総合理工学府 博士課程3年

 本プロジェクトでは、新興国の課題を解決するため、電気の通っていない農村地区の農作物や救命用医薬品を保存する冷蔵機器の開発を行いました。
 これまで、新興国の農村地区では、電気がないために大量の農作物を生産しても貯蔵ができないという課題があります。対象地域とした母国のバングラデシュでは、国民の64%が田舎に居住しており、3,000万人以上の農家が農作物の販売を行なっています。しかしながら、ほとんどの農家は、貯蔵する冷蔵スペースにアクセスできないために、農作物を貯蔵できず廃棄してしまっている状況です。私たちは、太陽光と水の蒸発による熱交換システムを利用し、安定した電気の供給がない環境でも、安定した冷蔵スペースを作る冷蔵機器を開発しました。更に、機器自体も安価に製造できるため、この機器の普及に努め、新興国の重大な食糧問題の解決を目指しています。
 現在、バングラデシュの銀行による融資や、複数の現地企業からは、冷蔵スペースとなる場所の提供や機器開発のための人的・技術的協力など協力体制も構築されつつあり、2019年9月九州大学卒業後には、母国に戻り、本格的に事業拡大を目指す予定です。


【写真下】CC2018 総長賞 最優秀賞を受賞(右から2人目が代表)

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