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大気二酸化炭素を起点とする炭素資源循環研究プロジェクトの創設とご支援のお願い

2026.03.19

大気二酸化炭素を起点とする炭素資源循環研究プロジェクトの創設とご支援のお願い


大気CO2回収から変換・活用へ

――「空気を資源に変える」未来社会の実現に向けて――


【背景と目的】

 私たちが日々使っている電気や移動手段、身の回りの製品や仕組みは、便利さと引き換えに多くの二酸化炭素(CO2)を大気中に放出しています。その積み重ねにより、気候変動はもはや将来の懸念ではなく、私たちの暮らしに影響を及ぼす現実の課題となっています。

 これまでの対策は「CO2を出さない」「CO2排出量を減らす」ことが中心でした。しかし今、すでに大気中に存在するCO2をどう扱うかが問われています。

 九州大学 ネガティブエミッションテクノロジー研究センターは、大気中のCO2を回収し、資源として活用し、再び社会の中で循環させる技術の研究とその社会実装を進める活動を行っています。CO2を単に減らす対象ではなく、未来を支える資源へと転換する社会――「ビヨンド・ゼロ社会」の実現が私たちの目標です。まさに「空気から資源を得る」という挑戦的な目標です。

 このプロジェクト成果の一部である回収・変換装置を、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」という。)に設置し、開催全期間にわたって実証試験を行いました。これによって社会実装に向けて明らかとなった課題を解決し、基礎科学的研究を進めつつ、本技術の社会実装を加速させることが本プロジェクトの目的です。

 その次の一歩を踏み出すために、使用目的が限定された公的資金に加え、幅広い皆さまからのご支援が不可欠となっています。


写真.大阪・関西万博内のブース


◆大気からのCO2回収という挑戦

 地球温暖化原因の一つとされているCO2は、実は大気中にわずか約0.04%しか含まれていません。このわずかなCO₂だけを効率よく回収することは、世界的にも非常に難しい技術課題です。現時点においても、直接空気回収(Direct Air Capture, DAC)技術は、装置が大きくなりやすく、設置場所やコストの面で課題を抱えています

 そこで私たちが注目したのは、膜分離法と呼ばれる方法です。このアプローチはCO2だけを選択的に通す膜を用いることで、薬剤を使わず、省スペースかつどこでもCO2を回収できるため、有望な技術として考えられてきましたが、これまでの膜性能の限界から実現不可能と考えられてきました。

これに対し九州大学の研究チームは、厚さわずか34ナノメートル(食品用ラップの約1/300の厚み)という、世界で最も薄く手に持てる自立膜を開発し、世界最高水準のCO2透過性能を達成し、世界で初めて「膜分離による空気からのCO2回収」を実現しました。これにより、どこでも設置可能で小型かつ高効率なCO2回収・変換装置(Direct Air Capture – Utilization, DAC-U®)が可能となりました。現在は、更なる研究開発だけにとどめることなく、社会の中で実際に使われる技術へと育てていく段階に入っています。


写真.世界最高性能のCO2透過性を持つ自立ナノ膜


◆分散型DAC-U®が拓く炭素循環社会

 私たちが目指すのは、これまでのように一部の巨大な設備を使う社会の構築ではありません。家庭、工場、オフィス、地域コミュニティ―それぞれの規模や用途に応じてDAC-U®ユニットを設置し、必要な場所でCO2を回収・活用する「分散型」の炭素循環社会です。これは、太陽光発電パネルが各家庭や施設に普及した状況とよく似ています。このような仕組みが広がれば、CO2を出す社会から、CO2を循環させる社会へと、大きな転換が可能になります。

 回収したCO2は、野菜などの成長促進、炭酸飲料、燃料や化学原料への変換、あるいは適切な貯留など、用途に応じて様々に活用可能です。

  ✓ 回収したCO2をどう使うのか。

  ✓ どの物質に変換するのか。

  ✓ どのように社会に組み込み、経済として成り立たせるのか。

  を念頭に置き、

  ■ CO2回収効率のさらなる向上

  ■ 変換・貯留技術の高度化

  ■ 社会的受容性や経済性の検証

  ■ 未来社会の姿を可視化するデザイン・社会工学的研究

  が不可欠です。


 このため本センターでは、理工系のみならず、文・社会科学系を含む九州大学の多様な専門家が集結し、横断的な研究を進めています。また、海外の研究機関とも連携し、国際的な研究拠点としての役割も担っています。

◆社会実装への挑戦 ――万博からその先へ

 日本政府も少子高齢化や地球温暖化、大規模災害などの様々な課題解決に向け、日本発の破壊的イノベーションを創出し、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を行うというコンセプトを掲げ、「ムーンショット型研究開発事業」をスタートさせています。ここでは厳選された研究テーマが採択されて、我々も「ビヨンド・ゼロ社会実現に向けたCO2循環システムの研究開発」として採択されています。この一環として、大阪・関西万博では、未来社会ショーケース事業「グリーン万博」において、開発中のDAC-U®装置の稼働実証を行い、研究成果を社会の中で検証しており、すでに空気中からCO2を回収し、それを都市ガスの主成分であるメタンや、工業材料に重要なエチレンなどの物質変換に成功しています。このように大学研究室の中だけで完結させず、「実際に動かし、見せ、議論し、改良する」、この積み重ねこそが、社会実装への最短距離だと私たちは考えています。

 


【何に費用がかかるか:具体的内容】

ご支援いただいた寄附金は、以下のような活動に使わせていただきます。


活動内容主な使途
基   礎   研   究CO2回収膜・装置の開発、CO2変換触媒の研究
(実験装置、材料、試薬等)
国   際   連   携海外研究機関との共同研究、研究者・学生の交流
ア ウ ト リ ー チ/普 及 活 動一般市民や中高生への講演、分かりやすい解説資料・動画の制作、展示会への出展費用等
若手研究者・学生の育成・教育大学院生の研究支援、ポストドクターの雇用、若手教員の研究支援

これらの活動には、実験材料・装置の購入、人件費(学生や研究者)、管理運営費も含まれます。


【寄附を頂くことで期待される効果】
ご寄附をいただくと、以下のような変化が生まれます。

✓ CO2回収・変換技術の開発が加速
次世代を担う研究人材の育成

社会的理解と導入の促進

実証実験・社会実装の前倒し

といった効果が期待されます。

皆さまのご支援は、研究の「時間」を前に進める力となります。



【謝意・寄附者へのリターン(感謝のかたち)】

私たちは、ご支援を単なるご寄附ではなく、「世界に先駆ける未来の技術を共につくる参加」と考え、以下のような形で感謝の気持ちをお伝えします:

 • 寄附者一覧をネガティブエミッションテクノロジー研究センターのウェブサイトに掲載

 • 特定額以上のご寄附をいただいた方には、ご要望に応じて、研究センター見学会や意見交換会へのご参加権を提供

 • 特定額以上のご寄附をいただいた方には、ご要望に応じて、出張講義をご提供(講義者についてはご要望を伺いながら当方で決定いたします)


【結び:ともに「ビヨンド・ゼロ社会」を】

 大気中のCO2をただ「減らす」だけではなく、「使える資源に変えて循環させる」取り組みは、私たちの未来にとって画期的です。特に資源もなく場所も限られている日本にとっては将来的に欠かせない技術です。現在世界に先駆けて実現に向けた一歩となる初号機を踏まえ、この技術の実社会で利用可能なものとして社会に根付かせるには、皆様のご支援が欠かせません。

 どうか、この「使途特定プロジェクト寄附金」による活動に、皆様のお力をお貸しください。本プロジェクトへのご支援は、未来の世代に「私たちは行動した」と胸を張って語れる選択となるはずです。未来の世代に誇れる地球を、共に創ってまいりましょう。


【寄附の方法】

クレジットカード決済によるご寄附
こちらのクレジットカード・PayPay決済寄附申込みページより手続きをお願いいたします。
ご寄附にあたっては「寄附目的」で 使途特定寄附の「大気二酸化炭素を起点とする炭素資源循環研究プロジェクト」を選択してください。

指定金融機関からのご寄附指定金融機関はこちら
本学所定の振込用紙(払込取扱票)を使用し、ご寄附いただけます。振込手数料はかかりません。振込用紙(払込取扱票)をお送りしますので、こちらの払込用紙請求ページよりご連絡ください。
ご寄附にあたっては「寄附目的」の欄で「使途特定寄附」を選択し、「大気二酸化炭素を起点とする炭素資源循環研究プロジェクト」とご記入ください。

※2022年1月から、ゆうちょ銀行での現金振込の場合は、現金利用負担額が別途必要となります。

指定金融機関以外の金融機関、ATM、インターネットバンキングからのご寄附
「九州大学基金寄附申込書(個人用)(法人用)」を総務部同窓生・基金課へ送付いただいた後、本学の指定金融機関の口座へお振り込みをお願いいたします。恐れ入りますが振込手数料はご負担ください。

ご寄附にあたっては、寄附申込書の「寄附の種類」の欄で、「その他」を選択し、「大気二酸化炭素を起点とする炭素資源循環研究プロジェクト」とご記入ください。
寄附申込書のご提出がない場合は、寄附者の確認が困難になり、領収書をお届けできないことがございます。

本プロジェクトへのご寄附は、所得税法上の寄附金控除の対象となります。
詳細は、税制上の優遇措置(寄附金控除)をご覧ください。



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【寄附金の納付に関するお問合せ先】

九州大学総務部同窓生・基金課基金係

TEL 092-802-2150

FAX 092-802-2149

E-mail k-kikin@○jimu.kyushu-u.ac.jp(メールアドレスの中の○を消してください)


【本事業に関するお問合せ先】

九州大学I2CNER・Q-PIT共通事務支援室

TEL 092-802-6933

E-mail ms-iq@○jimu.kyushu-u.ac.jp(メールアドレスの中の○を消してください)