支援を受けた研究者・学生等の声
令和6年度山川賞受賞者決定!受賞された皆さんをご紹介します
令和6年度は石田 廉さん含め8名の受賞がありました!
【山川賞について】
山川健次郎初代総長の名を冠した賞であり、九州大学教育憲章が指向する人間性、社会性、国際性、専門性について優れた志を持ち、学業成績が優秀な学部学生を専攻し、次世代を担う若者を育てることを目的とした事業です。山川賞は九大生応援基金で頂いたご寄附により実施しています。
令和6年度の山川賞受賞者が決定しましたので、受賞者の皆さんの活動内容や将来の目標についてお話をお聞きしました。(50音順)
01・石田 廉さん(医学部2年)
「デザイン思考による日進月歩の医療イノベーションを目指して」
私が高校生の頃から抱いている理想の医師像は、単に患者さんの病気を治すだけでなく患者さんの隠された本心をくみ取り、そのライフスタイルに適した治療方針を立てられる医師です。この目標を達成するため、私はビジネスの世界で主流となっているデザイン思考に着目しました。デザイン思考をQRECやi.schoolなどの学びを通して学生時代に習得し、将来、医療現場で活かしていければと考えています。医学とデザイン思考の両輪を回す医師として活躍するためにも、日々研さんを積んでいきます。
02・菊地 祥弘さん(工学部2年)
「宇宙の謎を解明する宇宙探査機の開発に携わるために」
私の夢は太陽系の惑星やその衛星の起源を探る宇宙探査機の開発に携わることです。小学生のころにペルセウス座流星群を見て宇宙に魅せられ、その憧れはどんどん大きくなっていき、いつしか自分も神秘的な宇宙の謎を解き明かしたいと思うようになりました。
現在私は宇宙開発体験サークルPLANET-Qに所属し、ハイブリッドロケットや小型二輪ローバー型CanSatの開発に携わっています。講義を通して宇宙工学の知識をつけた上で、今後は大学院留学に挑戦するなど、将来必要となる国際性と専門性を高めていきたいと考えています。山川賞で頂くご支援を有効活用し、より一層気を引き締めて夢の実現に向けて努力を続けていきます!
03・西村 齊明さん(理学部2年)
「地雷退治ハ俺ニ任セロ !!!!」
軍人や民間人、大人や子供を問わず、無差別に命を奪う地雷は、地球上に無数に埋まっています。そして、今この瞬間もどこかで誰かがその被害を受けています。地雷のない世界を実現できるのか、その答えを知る者はいません。現状ではほとんど不可能に近いのが実情でしょう。一人の人間が数十年の間に成し遂げられることには限りがあります。それでも、人類史上最も“天才的な”発明品とも言える地雷に対して、できることをやろうと思います。まずは、テクノロジーを駆使して、テキを見つけ出すことから始めたいと思います。
04・林田 泰造さん(理学部3年)
「物理で未来を拓く ~量子コンピュータからのアプローチ~」
私は物理学科国際理学コースに入学後、初めて大学の物理に触れた際に、全てが未知で溢れており、理解したい・おもしろいと感じました。物理の勉強に没頭していくうちに夢中となり、図書館やゼミ、上級生の講義にも足しげく通うようになりました。現在は、学内外において「量子ビットを安定に実現できる物理系の探索」を目標に、研究活動に取り組んでいます。
来年からは、山川賞の支援を受けて、英国ケンブリッジ大学で1年間の研究留学に挑戦する予定です。留学先では、研究における議論や共同する力を磨きたいと考えています。高騰する留学費用を準備できたのは、九州大学基金の支援者の方々のおかげです。心より感謝申し上げます。
05・福寺 航大さん(共創学部3年)
「歴史と自然に揺られる太平洋島嶼地域と紐解く、記録する、未来を紡ぐ」
私は太平洋島嶼地域をフィールドに後世に島を残すための研究・実務に取り組んでいます。これまでマーシャル諸島やミクロネシア、フィジーといった国に渡航し、歴史的には核実験や太平洋戦争に翻弄され、近年は海面上昇や外来生物によって変容を余儀なくされている現状を目の当たりにしました。そこで島に帰属するアイデンティティーを次の世代につなぎたいと考え、現在、島そのものと島の暮らしを科学的に理解する知見・スキルの獲得に励んでいます。
今後は交換留学や海外大学院進学、フィールドでの研究活動により、太平洋島嶼地域のすべての変容を学術的な裏付けとともに記録し広く伝承できる人材を目指します。
06・邊見 紗来さん(共創学部2年)
「持続可能な国際協力の仕組みづくりを目指して」
私の将来の目標は、持続可能な国際協力の仕組みづくりを行うことです。私は高校、大学の先輩である中村哲医師をきっかけに国際協力に興味をもつようになり、彼のように現地の人々の将来まで見据えた支援がある一方で、支援する側の利益が先行し、むしろ現地の妨げになっているものもあるということを知りました。そこで、各国際支援団体の活動内容を評価、可視化し、より持続的な活動をしている団体が活発に事業を進められるような仕組みの構築を目指します。
今後は頂いたご支援で、自分の成長につながる経験をたくさん積みつつ、海外留学や大学院進学を通じて専門性を深めていきます。そして誰もが自立した生活を送ることのできる社会を実現します。
07・八木 俊輔さん(理学部3年)
「化学に潜む『普遍性』を求めて」
「化学」とは「物質の構造・性質・反応を原子レベルで理解する学問」です。その対象はフラスコの中だけにはとどまらず、工業、生命、地球、そして宇宙まで広がっています。そんな化学ですが、実はその裏側には「全ての物質は原子からなる」などの普遍的に成り立つ法則が存在します。そのような普遍性を追求する科学者に私はなります。
現在は物理学科と化学科の研究室にて、生体分子モーターを統計力学の観点から解析することと、量子コンピュータを化学へ応用することの2つに取り組んでいます。また、大学1年生のときに立ち上げた団体「Scientia Meetup」では、分野と大学の垣根を越えた学生間の交流を全国レベルで行っています。夢を叶えるために情熱を燃やし続ける科学者に、きっとなります。
08・弓場元 悠人さん(農学部2年)
「日本の森林を世界の最先端に ー森林を技術によって改革するー」
私の将来の夢は、 6年度VRなどの技術が内包されているXR技術や昨今話題のAIといった先端技術を上手く取り入れながらデジタル化していくことで、最先端の森林管理を実現することです。
夢を実現させ、日本に潤沢にある「森林」という資源を次の世代やその次の世代へと継承し守っていくには、単なるデジタル化ではなく、「持続可能」もキーワードになってくるため、頂いたご支援を活用しながら今まで以上にアンテナを広げて活動を行っていきたいと思っております!
このインタビューは九大広報130号に掲載された内容です。
ぜひご覧ください。