Voices

支援を受けた研究者・学生等の声

受賞を原動力に

2017.12.14

工藤 華枝 【平成27年度受賞】

農学部 生物資源環境学科

農学部生物資源環境学科4年 工藤華枝
山川賞を受賞したことは、学生生活の様々な場面で大きな原動力となった。
まず、受賞と同時期に立ち上げた小学生向け科学教室運営サークルQ-Scienceでは、計6回、のべ102名の子どもたちと一緒に科学の楽しさを共有した。新たなことを知ってワクワクしたり、目を輝かせたりする子どもたちの姿に大学生側も大きな刺激を受けた。運営や広報、実験準備は一筋縄ではいかないことも多々あったが、山川賞をいただいたからには何か成し遂げたいという衝動に駆られ、意欲的に活動した。  
また、卒業論文研究としてDNA修復タンパク質について見識を深めた。DNAは紫外線や放射線などにより傷つくことがあり、生物はそれを修復する仕組みを持っている。しかし第三の生物「アーキア」においてはその仕組みは未解明だった。そこで遺伝子工学や分子生物学の手法を用いてアーキアのDNA修復機構の解明に挑み、昼夜実験に没頭し、充実した論文を作成できた。思うようにデータが出ない時期は長く、現実逃避したくなることもあった。そんな時には山川賞受賞者同士で交流したり、部活の仲間と話したりし、研究に困難はつきものであるから弛まぬ努力が必要とアドバイスをもらい、辛抱強く取り組んだ。  
今後は研究環境を大きく変え、元来興味のあった疾患の改善について研究する予定である。九大で培った基盤と、それを築くまでの多大な努力が認められたという自信をもとに、さらなる猛進をしたいと考えている。 

写真1  科学教室の様子。子どもたちの真剣なまなざしに、大学生もパワーをもらいました。白衣を着用しているのが私です。
写真2  農学部賞受賞後の研究室での記念撮影での一コマ。研究成果や学業の功績が認められることは、本当にうれしいです。