Voices

寄附者の声

馬 培倫 様(2002年経済学府修了)

2024.02.19



 私は修士課程(経済学府
経済工学専攻)在学中、日本の方々から生活や学業のサポート、また経済面でもたくさんの支援を受けてきました。修士課程入試に合格し、台湾からいきなり来日し院生になった為、しばらく講義についていくのも大変な状況でした。科目によっては基礎知識が全くないものもあり、日本語の辞書はもちろん専門分野の教科書、参考図書を研究室の卓上に並べ、脳に詰め込んでいた日々です。
 日本語の勉強も一生懸命しましたが、語学力はなかなか向上せず、ゼミでもうまく考えが表現できない事もあり、悶々とする時期もありました。半年後、日本語で夢を見た事を境に、表現力が大きく上がったことを今でも鮮明に覚えています。指導教官の時永祥三先生および博士課程の先輩方が温かく見守って下さったことに感謝しています。

 一年生の終わりからは就職活動も加わり、てんやわんやの忙しさでしたが、専門外の文学と哲学の書籍にも触れられ、学びの多い2年間でした。

 その後も日本で就職しましたが、会社および取引先にて、ご縁のある方々からご指導とご鞭撻をいただき、今に至るまで豊かなキャリアを形成することができました。


 寄附文化の強い台湾人として、他の方に恩送りしたいとずっと思っていました。加えて、寄附という行為は自ら税金の使い道を選ぶという意思表示でもあります。そのため、今回母校である九州大学に寄附をすることを決めました。
九州大学の学生や研究者の皆さんは、世界と社会にインパクトをもたらすべく勉強と研究に励んでいると思いますが、とにかく好きなテーマにのびのびと楽しく打ち込めることを願っています。