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九州大学基金「価値創造型半導体スペシャリスト育成プロジェクト」の創設とご支援のお願い
世界中で待ったなし 価値創造型半導体スペシャリストが求められる背景
半導体はコンピュータやスマートフォンから家電製品、自動車、産業機器まで広く使われており、社会経済システムの中核をなすだけでなく、今後の社会課題解決や社会変革を実現する上で重要な鍵となるものです。
日本政府は2022年に半導体・デジタル産業戦略をまとめ、開発や生産拠点の誘致などに力を入れていますが、日本での半導体人材は不足しており、継続した人材育成と研究開発に関する産業界の熱い要望を受けています。
本学の充実した研究施設とトップレベルの研究者層により、世界各国とも多くの連携を行いながら、特にシステム情報科学府の学生に対して「価値創造型半導体スペシャリスト」を育成います。
また、他学府・他学部の学生に対しても今後は半導体業界に関わる機会が増えてくると思われます。他学府・他学部の学生については、半導体・集積回路の基本知識を持ち、社会のニーズに接し、社会変革を計画し、それを実行することのできる価値創造型人材、「半導体の社会実装を通じた社会変革を担う人材」を育成します。
将来的には、他大学や高等専門学校の学生に対して、熊本大学、九州工業大学、及び九州半導体・デジタルイノベーション協議会といった学外機関とも協力し、「半導体の国内製造を担う人材」の育成を目指します。
既存の半導体製造のスペシャリストの育成に加え、これからの社会課題を解決する価値創造型人材の育成は、あらゆる産業界で重要なものとなっています。
求める人材は「単なる理工系人材」じゃない。従来型教育を超えた半導体人材教育
将来の社会課題解決や社会変革の実現のためには、真に必要な半導体・集積回路の把握とその開発が極めて重要です。言い換えると、良いものを作れば売れるという発想から、必要とされ売れるものを作るという発想への転換が必要です。
このことから、本センターは、半導体分野を専門とする理工系教員だけでなく、デザイン、ビジネス、起業に関する教育に携わる教員総勢24名が結集して電気系の学生だけでなく機械系や材料系学生等の教育に当たります。これにより、学生は半導体の材料、設計、製造だけでなく、マーケティング、価値創造、社会課題解決についても学ぶことができます。
本センターでの育成プロジェクトには大きく3つの特色があります。
プログラムの特色①マーケティング視点の育成
マーケティングデータの分析や消費者行動などのテーマについてディスカッションし、「新しいものを作っていくために何が必要なのか?」を常に考えられる頭を作る、グループワーク等が組み込まれています。
プログラムの特色②産業界の声を聴く
産業界から半導体に関する経営部門経験者やベンチャー企業の経営者、半導体産業のコンサルティング業務を行っている方々を、教授・准教授、客員教授、及び講師として招聘し、経営やサービス、社会実装に関する知見を教授いただきます。産業界の生の声を聴く貴重な機会だと考えています。
プログラムの特色③現場の課題解決能力の育成
半期またはクォータ期間を利用した長期インターンシップの実施、社会人ドクター受け入れにより、学生実験や研究室における最先端の研究を通じて産業現場における課題解決能力を養成します。
半導体の施設には多額の維持費が必要です
なお、この半導体人材教育を維持していくためには、研究施設の機器更新・教育に係る費用がどうしても必要です。微細構造である半導体集積回路の製造には、高度な衛生基準を満たすクリーンルームが必要です。人間の目に見えないレベルの埃も半導体においては大きな異物となります。異物を持ち込まないよう、室内への入室、室内装置の洗浄など徹底管理しているのがクリーンルームです。システム情報科学府・研究院ではクリーンルームを設置し、各種実験が常時行える環境ですが、このクリーンルームの維持管理には年間3千万円ほどかかり、換気・冷熱源機器・電力といった課題が常につきまといます。
このクリーンルーム等の維持管理は大学が独自にお金を用意しなくてはいけません。
クリーンルームでの作業の様子
本学ではクリーンルーム内で感光性物質(光の照射によって化学変化を起こす物質)を扱うために紫外線をカットした施設(イエロールーム)も設置しています。
今後の展開
現在、あらゆる階層の半導体人材を育成していくことが喫緊の課題です。その中でも本学では価値創造型半導体スペシャリストをしっかりと育てていくことからスタートし、本学の人文社会系を含む学生のほか、さらに他大学・高専の学生、社会人にも教育プログラムを拡げる予定です。
今年開催されたG7では日米半導体連携パートナーシップの参画メンバーとして本学も紹介されました。同パートナーシップでは半導体分野での女性活躍も目指した教育を行ってまいります。
どうか本趣旨にご賛同いただきますようお願い申し上げます。
システム情報科学研究院・教授/価値創造型半導体人材育成センター・センター長
金谷 晴一
基金の概要
半導体・集積回路の材料、設計、製造のスペシャリストであると同時に、社会のニーズや、社会変革に求められる半導体・集積回路を理解し、それを半導体・集積回路の設計・製造に反映できる半導体のスペシャリスト、すなわち新しい価値を創造する「価値創造型半導体スペシャリスト」を育成するプロジェクトです。
●寄附金の使途
・産業界から大学へ講師として招聘/2,000,000 円
・産業界で活躍する人材を育成するためのグループワーク/2,000,000 円
・長期インターンシップ、及び社会人ドクターの受け入れ/2,500,000 円
・学生実験における半導体関連テーマに関する実験機器の購入/7,500,000 円
・クリーンルームの維持費(電気代補助、空調フィルター交換)/10,000,000 円
・先端研究のための実験装置の購入/22,000,000 円
●募集期間
令和5年8月21日~令和8年8月31日
●目標額
46,000,000 円
●募集金額
個人:1口1,000円、法人等:1口 100,000円(いずれも何口でもお受けできます)
●寄附金控除について
本基金への寄附は、所得税の優遇措置を受けることができます。
詳細はコチラをご覧ください。
●寄附の方法
①クレジットカード決済によるご寄附
こちらのクレジットカード決済専用寄附申込みページより手続きをお願いいたします。
ご寄附にあたっては「寄附目的」で「価値創造型半導体スペシャリスト育成プロジェクト」を選択してください。
②指定金融機関からのご寄附(指定金融機関はこちら)
本学所定の振込用紙(払込取扱票)を使用し、ご寄附いただけます。
振込手数料はかかりません。振込用紙(払込取扱票)をお送りしますので、
こちらの払込用紙請求ページよりご連絡ください。ご寄附にあたっては「寄附目的」欄の「使途特定寄附」に、「価値創造型半導体スペシャリスト育成プロジェクト」とご記入ください。
※2022年1月から、ゆうちょ銀行での現金振込の場合は、現金利用負担額が別途必要となります。
③指定金融機関以外の金融機関、ATM、インターネットバンキングからのご寄附
「九州大学基金寄附申込書(Excel様式)・(PDF様式)」を総務部同窓生・基金課へ送付いただいた後、本学の指定金融機関の口座へお振り込みをお願いいたします。
恐れ入りますが振込手数料はご負担ください。
ご寄附にあたっては、寄附申込書の「寄附の種類」の欄の「その他」を選択し、「価値創造型半導体スペシャリスト育成プロジェクト」とご記入ください。
寄附申込書のご提出がない場合は、寄附者の確認が困難になり、領収書をお届けできないことがございます。
●お問い合わせ先
(事業について)
九州大学大学院システム情報科学府附属
価値創造型半導体人材育成センター
〒819-0395 福岡市西区元岡744
TEL: 092-802-3721
E-mail: jimu@〇ecsvc.ed.kyushu-u.ac.jp (メールアドレスの中の○を消してください)
(寄附金について)
国立大学法人九州大学
総務部同窓生・基金課基金係
TEL:092-802-2150
E-mail:k-kikin@〇jimu.kyushu-u.ac.jp (メールアドレスの中の○を消してください)