Voices

支援を受けた研究者・学生等の声

「理科嫌い」から「理科大好き」という子どもが一人でも増えるように

2019.06.14

広報 西村 拡

九州大学化学研究部 【H30課外活動支援 採択】

 このたび、九州大学基金支援助成金への採択、誠にありがとうございました。活動をより円滑にするため薬品棚を購入させていただきました。
 私たち化学研究部は平成29年に発足しました。正確には部員不足で長年休部状態だった化学研究部を再建しました。それは今思い返せば僕たちの「子供の理科嫌いをなくしたい」という強い思いあってからだと思います。しかし部の再建ともなると簡単なことばかりではありませんでした。その中の一つに薬品、器具の管理がありました。
 化学研究部では化学教室を通して小学生に理科の楽しさを伝える活動をしていますが、その教室ごとに行う実験を開発しています。教室の開催当日まで何度も何度も予備実験を繰り返します。しかし部活開始当初は実験に用いる薬品や器具を保管しておく棚等がなかったため、毎週部員が家に持ち帰っては持ってくるということを繰り返していました。しかし今回の助成支援のおかげで薬品棚を購入していただき、部室でそれらの薬品器具の統合管理が可能になりました。
 例えば、ある実験をしてみようとなった時、それに用いる薬品はほかの実験目的で購入していたという機会は少なくありません。以前の各部員宅で保管していた時はその実験が来週に持ち越しとなっていましたが、薬品棚で統合管理ができるようになってから、その場で予備実験ができるようになり、効率が大幅に上昇しました。これもすべて九州大学基金助成事業のおかげだと思っております。大変ありがとうございました。
 平成30年度は部の活性化もあってか部員数は17人まで増えました。夏には毎年の定例である「夏の自由研究教室」を開催しました。小学生にとって自由研究教室は夏休みの大きな課題の一つだと思います。その自由研究のテーマ決めの手助けとなるような実験を提供したいという思いで開催されたのが、このイベントです。また、このイベントは一人でも多くの人に参加してもらえるよう参加無料で開催しました。子どもだけではなく、保護者の方にも参加していただき、実験の内容だけではなく日常生活にあふれる様々な疑問を解決する機会にもなり、部員もとても有意義な時間となりました。
 冬には昨年度に引き続き、国分寺小学校子供会からご依頼をいただき、実験ブースを開きました。今年度はいろいろな科学現象に興味を持ってもらおうと、毎年恒例のスライム、バスボムづくりに加えて静電気に焦点を当てた実験ブースを新設しました。静電気の力で浮くクラゲを利用した耐久レースを開催し、1分1秒を競う戦いに人気を博しました。
 一人でも多くの子どもが「理科大好き!」と言えるように。「理科嫌い…」という子どもを一人でも減らすために。私たち九大化学研究部は活動しています。
 このように僕たちが活動できるのも、今回のような助成事業あってこそだと思います。課外活動助成に採択されたからにはその期待に応えられるよう、私たちの部活理念をかなえられるよう今後一層精進してまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。