Voices

支援を受けた研究者・学生等の声

「創~伝える音楽を~」

2019.06.14

幹事長 山本 真生

九州大学吹奏楽団 【H30課外活動支援 採択】

 このたび、九州大学基金支援助成事業に採択していただき、マリンバという大型鍵盤楽器を支援していただきました。これにより今までできなかった曲にも挑戦できるようになり、楽団として吹奏楽の幅が大きく広がりました。誠にありがとうございました。
 九州大学吹奏楽団:別名KUSB(Kyusyu University Symphonic Bandの略)は活動開始から60年近くが経とうとしている伝統ある吹奏楽団です。今年度は他大学から参加している団員も含め、1~3年生の70名の団員とともに活動して参りました。近年は入団者も増加傾向にあり、楽団として、より迫力のある演奏をすることができるようになりました。
 このような編成の場合、問題となってくるのは、やはり楽器の不足です。吹奏楽というのは小編成から大編成まで、それぞれの人数に見合った曲を演奏することができます。私達の人数の場合は大編成の曲を演奏するのに適しており、それに合わせて選曲をして参りました。マリンバという大型鍵盤楽器は、幅広い音域を持ち、木製だからこそ出せる重く深みのある音色が特徴です。そのため吹奏楽の名曲、いわゆる大曲というものに欠かせない楽器であり、これまでもマリンバが無いために演奏することができず諦めざるを得なかった曲も多くあります。購入する場合にも大変高額であり、なかなか手が出せないのが現状ございました。そんな中でのご支援でしたので、団員一同大喜びでマリンバを迎え入れ、早速伊都キャンパス完全移転のお祝いとして行われた演奏会や定期演奏会など多くの場面で使わせて頂きました。改めて団員一同心より感謝申し上げます。
 吹奏楽というのは楽器があって初めて成り立つものです。楽団としては自分で楽器を持っている人もおりますが、多くの団員は団で所有している物を使用しております。特に今回支援いただいたマリンバその一つである打楽器というのは大型かつ高額ということもあり個人で持つことはほぼ不可能なため、楽団が創立した当初から修理しつつも同じ楽器を使っており、楽器に残るOB・OGの先輩方の熱い思いも一緒に受け継いで今も活動を続けております。先輩方に感謝をしながら、私達も後輩に楽器も心も受け継ぐことができるよう精一杯楽器を鳴らし続けております。
 そんな私達は今年度の目標を、一人一人がその曲から感じる様々な思いを乗せた音楽を創り、お客様に伝えて欲しいという思いを込めて「創~伝える音楽を~」として活動して参りました。
 昨年は3月に福岡市西市民センターで行った新体制初の演奏会であるスプリングコンサート、7月に椎木講堂にて九大生に向けて行ったサマーコンサート、9月には一般の方に向けて大丸パサージュ天神で主にポップスを演奏したオータムコンサート、そして今年1月にアクロス福岡シンフォニーホールにて行いました当団の一年の集大成となる第54回定期演奏会と、楽団主体で様々な演奏会を開催してまいりました。たくさんの方々にご来場いただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。団としても演奏会を一つ一つ経験する中で一緒に成長していくことができ、かけがえのない時間を過ごすことができました。今年度も季節ごとに全力で演奏会に取り組んでまいりますので、皆様のご来場をお待ちしております。
 また、昨年は定例となっている定期演奏会などの他にも多くの方からご依頼をいただいて様々な場面で音楽を創り、お届けしてきました。保育園で流行りの曲から合唱曲まで演奏し、園児の皆さんと一緒に楽しんだり、九州大学チアリーディング部「ETOILES」の皆さんとともに九州大学アメリカンフットボール部「PALOOKAS」さんの試合を応援させていただくこともありました。さらには昨年9月九州大学伊都キャンパスに完全移転するということで、それを祝して伊都校区でのお祭りである伊都にぎわい祭りのオープニングとフィナーレを担当させていただいたり、福岡市西区の地域のお祭りである「西祭」のメインイベントとして、全国コンクールにも出場されている「西区市民吹奏楽団」さんとの合同演奏会にも参加させていただいたり、九大内でもクリスマスコンサートのアンサンブルをさせていただくなど団として初めて参加させていただくものも多くありました。その一つ一つでたくさんの笑顔や声援をいただき、改めて吹奏楽の持つ力、音楽の持つ力というものを確認することができました。
 貴重な体験をさせていただいた関係者の皆様、そして日頃お世話になっている大勢の方々への感謝を忘れずに、吹奏楽の力で元気をお届けできるようこれからも全力で活動して参ります。今後ともご協力とご声援の程よろしくお願いいたします。
 このたびはマリンバを支援していただき、本当にありがとうございました。これからも末永く大切に使わせていただきます。